サラ・ベルナールの世界展 ベルエポックのドレスにうっとり

ジスモンダ(Gismonda)のリトグラフの迫力 
ベル・エポックの華の大女優の世界に触れる

渋谷区松濤2丁目にある松濤美術館にて2019年12月7日(土)~2020年1月31日(金)の期間、「サラ・ベルナールの世界展について」が開催されています。 全国8箇所を回ったこの展覧会は東京が最後。東京で「ベル・エポック」の象徴であるサラ・ベルナールのコレクションをこれだけゆっくりと見られる機会は珍しく、とても充実したひとときを過ごすことができました。とても素敵な展覧会でしたので、ご興味のある方は1月31日までの開催期間中にぜひ足を運んでみてください。

会場:松濤美術館について

松濤美術館へは京王井の頭線神泉駅から徒歩5分、JR他の渋谷駅から徒歩15分のところにあります。他に渋谷区のコミュニティバスハチ公バスの丘を越えてルートで渋谷駅西口から4分で行くこともできます。
エントランスには傘立てとロッカーがあり、荷物を預けてゆっくりと見ることができます。

サラ・ベルナールの世界展について

サラ・ベルナールは19世紀半ばから20世紀初頭に活躍したフランスの女優です。
彼女はミュシャやラリックなどアール・ヌーヴォーの中心となる芸術家たちをパトロンとして支援しており、彼女をモデルとして多くの作品が作られています。 今回の展示では彼女の当時の写真や肖像画、衣装のほかそんな彼女を題材とした作品を多数展示しています。ミュシャやラリックの展覧会でよく見る「GISMONDA ジスモンダ」のリトグラフも運が良ければほぼ独り占めでじっくりと鑑賞できます。午前中だと空いているようですよ。

展示物について

作品の多くは撮影不可ですが、数点ほど記念撮影ができるものもあります。例えばこちらがその一例ですが、作品の横にこのようにパネルがありました。また、会場内のソファーでちょっとした休憩を取ることもできました。

もう一点ご紹介。彼女の”寝室”です。棺桶の中で眠るなど相当変わった方であったようです。周りの人との接触を断って自分だけの世界を持つために棺桶の中で寝るというスタイルを貫いたそうです。

展示物の中には彼女の歴代のボーイフレンドのポートレートや、プライベートショットもたくさんありました。歴代のボーイフレンドは彼女が繊細でインテリタイプが好みであったことが垣間見えますが、中にはギリシャの彫刻のような肉代美を誇る若い男性に惹かれた時期もあったようです。

また彼女が右足を切断したあと、屋外のベンチで台本を読む写真も印象に残りました。女優として切断した右足が見えないように、サラ・ベルナールならではの毛布でまるでラッピングのように包んでありました。

ジャック・ドゥーセ 《イブニングドレス》

一番見入ってしまったのは「ジャック・ドゥーセ」イブニングドレスでした。前方からのみでなく近くまで寄って後ろ側の細工まで360度すべての角度から見ることができます。繊細なレースやリボンの丁寧な細工は「ベル・エポック」の粋をあつめた素晴らしいドレスでした。

実際にサラが着用した舞台衣装ですが、彼女が想像していたよりも小柄な人であることが意外でした。リトグラフや写真では絶大な存在感を示す大女優ですが、実際はドレスの大きさから推測すると150cm台前半の小柄な人であったと思われます。サラ・ベルナールがこのドレスを着て演じた演目やその舞台を観覧に着たベル・エポックの世界への想像がふくらむ一着です。

さいごに

何箇所かで開催されたミュシャ展は結構な盛況でしたが、こちらは比較的落ち着いて鑑賞することができました。また、入館料が非常にお安い。
渋谷駅から少し遠くはありますが、かの松濤にある美術館ですしBunkamuraや東急百貨店本店からはすぐです。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

お土産もとても充実していました。マスキングテープなどの他に、「ジスモンダ」のフェイスマスクがユニークで思わず欲しくなりました。ノートやカード、展覧会のパンフレットなどちょっとお財布の紐がゆるみます。ギフトショップでの時間も多めにとることをおすすめします。

入館料一般500(400)円、大学生400(320)円、
高校生・60歳以上250(200)円、小中学生100(80)円

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