厚生労働省職業安定局雇用保険課から身に覚えのないお手紙が届きました。
皆さんの中にも届いた方はおられますでしょうか?
このお手紙は一体何のお手紙なのでしょうか?ちょっと調べてみましょう。
お手紙の中身は
お手紙には、5枚の書類と1通の返信封筒が入っていました。紹介していきましょう。
1.雇用保険の追加給付に関するお知らせとお願い
こちらは今回の経緯を説明しています。
厚生労働省が所管する統計について、長年に渡り不適切な取扱いをしていたことが発端であることがわかります。ただ、書き方が少々回りくどくて、何だか伝わりにくいですね。
簡単に言うと、厚労省がミスをし放置していたので、雇用保険で支払われるべきお金を支払っていなかったから、きちんと調査し必要であれば支払うので個人特定情報と振込先を教えてほしいということのようです。
私は、過去に転職したことがあり、その際働いていなかった期間が少しあります。
その間に失業手当はいただかなかったのですが、勤め始めたときに頂いたお祝い金(再就職手当)が足りなかったかもしれないということのようです。
裏面にはその期間についても書かれていました。
2.(表)雇用保険の追加給付に関する回答票
(裏)払渡希望金融機関指定(変更)届
今回記入が必要な書類はこれだけです。表面の①~④に必要事項を記入し、裏面に銀行やゆうちょ銀行の口座を記入します。この回答票と金融機関指定(変更届)にはそれぞれ記入例も同封されています。
この書類に記入し、返送することでお金が戻ってくるようですね。
3.雇用保険制度の各種給付の概要
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の影響により、平成16年8月以降、雇用保険の各種給付を受けていた方の給付額が低く計算されている可能性があります。
と冒頭に書かれています。あとは制度の説明が事細かに書かれていますね。
ですが、これですと「そもそも、なぜこの手紙が来ることになったのか?」がいまいちわからないですね。
せっかくなので、もっと調べていきましょう。
厚労省のWebサイトを探してみる
厚労省のWebサイトにはこのような表記がありました。
本日公表を行った毎月勤労統計調査において全数調査するとしていたところを一部抽出調査で行っていたことにより、平成16年以降の同調査における賃金額が低めに出ていたことから、同調査の平均給与額の変動を基礎としてスライド率等を算定している雇用保険制度等における給付額に影響が生じております。
雇用保険、労災保険等の追加給付について
このため、平成16年以降に雇用保険、労災保険、船員保険の給付を受給した方の一部及び雇用調整助成金など事業主向け助成金を受けた事業主の一部に対し、追加給付が必要となりました(現在受給中の方も該当する場合があります。)。
統計において、全数調査すべきであったところをサンプリング調査(一部抽出調査)で行っていたのが原因で、平均給与額の給付額に影響があり、支払額が少なかったことがわかります。
とはいえ、サンプリング調査でも適切に扱えば、統計結果として何ら問題はありません。統計処理の仕方に何らかの問題があったのでしょうか。
当時のニュースを振り返る
ITメディアさんの「どれほど深刻? 厚労省不正統計問題を「超」分かりやすく解説」 という記事が詳しくまとまっていたので紹介します。
要約しますと、そもそも勝手にサンプリング調査に切り替えていたのと、適切な統計処理を行っていなかったということのようですね。2019年に国会をにぎわせた厚労省の不正統計問題を覚えてられますでしょうか?あの不正統計の結果がこのような形で跳ね返っていたのですね。
NHKのクローズアップ現代ではまさにこの問題を正面から扱っていました。
影響範囲は相当に大きく、支払われなかった給付金の総額は600億とも800億ともいわれています。但し、関係する人が約2000万とあまりにも多いため、一人あたりの受給額はそれほどの額にはならないのでしょうね。
ミスを隠し通した結果、リカバリーするのにいったいどれくらい税金をつぎ込むというのは気になるところですが、とりあえず、いくらかでも貰えるのはうれしいところ。
この件は、また詳しくわかりましたら加筆していきたいと思っています。